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原料まで日本の綿。EDWIN原宿店9周年で登場する、本当のメイド・イン・ジャパン。

ファッション好きならついついタグを確認してしまう「Made in Japan」の文字。でも、この表記の裏側には意外な事実が隠れています。たとえ生地や原料が海外製でも、縫製さえ日本で行えば「日本製」と呼べてしまうのが今のルール。

もちろん縫製技術の高さは日本の誇りですが、もっと深いところ、つまり「綿」の段階から国産にこだわったらどうなるのか。そんな素朴かつハードルの高いテーマに向き合ったのが、コンセプトショップのオープン9周年を迎える〈EDWIN(エドウイン)〉です。

大日本ジーンズJKT ¥52,800

日本国内での綿花自給率は現在ほぼゼロと言われています。そんな状況下でエドウインがたどり着いたのは、東北の地でした。震災の塩害により稲作が難しくなった農地を活用し、塩害に強い綿花を栽培するというプロジェクトから生まれた綿を使用しています。

この貴重な国産綿を、他の綿と混ぜることなく100%使って緯糸(よこいと)に。デニム生地のスペシャリスト「日本綿布」によって織り上げられた生地は、6番手という太い糸ならではのザラっとした質感が特徴です。見た目の迫力だけでなく、背景にあるストーリーまでしっかりと編み込まれている点が、服好きの心をくすぐります。

大日本ジーンズ ¥39,600

面白いのは、この生地を使って「1930〜50年代」のジーンズを再現しているところ。日本では綿花栽培が衰退し、安価な海外原料や化学繊維へと移り変わっていった時代です。「もし、あの頃に日本の綿でジーンズを作れていたら?」という空想を形にしたような、ルーズフィットやシンチバック(背面の調整ベルト)といったディテールが光ります。

デニム生地の耳(セルビッジ)には、あえて色落ちしない加工を施した「ジャパンブルー」の糸を採用。生地自体は経年変化で色あせていくのに、耳の青色だけは鮮やかに残り続けるという対比が楽しめます。革ラベルには駆除された鹿革を利用した「チバレザー」を使うなど、素材選び一つひとつに理由があるのも魅力的です。

原料から縫製まで、すべて日本の土壌と技術で完結させた大日本ジーンズ。単なる記念モデルという枠を超え、日本のものづくりの現状や歴史背景さえもデザインの一部として昇華されています。

決して安くはないプライスですが、背景にある手間とロマンを知れば納得のいく一本です。


【問】エドウイン・カスタマーサービス/0120-008-503/https://edwin.co.jp/

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